創業初期の経営者が直面する課題:「経理担当者をいつ雇うべきか?」スタートアップや個人事業主にとって、創業直後は経営に関わるさまざまな判断が求められます。その中でも意外と多くの経営者が悩むのが、「どのタイミングで経理担当者を雇うべきか?」という問題です。限られた資金をどこに割り振るべきか、優先順位を考えなければなりません。私の結論:創業初期のスタートアップなら経理担当者は必要ない私の見解としては、創業初期のスタートアップでは、専任の経理担当者を雇う必要はないと考えています。これは優秀な経理人材を低コストで採用できる場合を除きますが、通常、そのようなケースはあまりありません。だからこそ、外部のプロに経理業務を委託することを推奨します。なぜ経理専任が不要なのか?まず最初に強調したいのは、創業初期の企業にとって最も重要なことは「利益を出すこと」です。売上を伸ばし、利益を出すことに集中しなければならない段階で、専任の経理担当を雇う余裕はありません。経理は会社の機能として不可欠ですが、その役割を果たすために必ずしも正社員を雇う必要はないのです。創業初期に発生しやすい失敗事例:経理を軽視した結果、融資失敗や横領リスクが発生逆に経理業務を軽視して、リソースを割かないというスタンスを取るスタートアップは一定いますが、この場合も経営に深刻な影響を及ぼします。たとえば、創業初期に融資を受ける際、金融機関は決算書や試算表を求めますが、それを適切に準備できない場合、融資がスムーズに進まないことがあります。こうした事態に陥ると、資金繰りが厳しくなり、経営に支障をきたす可能性が高まります。正直に言ってしまうと、優秀な経理人材は滅多におらず、財務諸表の作成すらできない経理担当者がとても多いという印象です。レベルの低い経理マン・経理ウーマンを正社員として雇ってしまったがために、経理のワークフローが整っていない&毎月の固定費が無駄に発生してしまうという二重苦に陥ってしまうというケースをよく見てきました。加えて、経理担当者を1人だけに依存すると、その人に業務が属人化してしまい、横領のリスクも出てきます。毎年のように、経理担当者による横領の相談が寄せられるのは、この属人化が原因であることが多いのです。特に年商1億円未満の小規模企業では、適切な管理体制を整えるのが難しく、1名に業務が集中しがちです。経理業務は外注がベストでは、どうすれば良いのか?答えはシンプルで、経理業務は外部に委託することをお勧めします。信頼できる経理のプロフェッショナルに業務を外注することで、低コストで経理業務を安定して運用できます。特に創業初期の企業にとって、外注はコストパフォーマンスの高い選択肢です。創業初期に重要なこと:経理ワークフローの整備外注することで、ただ経理業務を任せるだけでなく、ワークフローを均一化し、生産性の高い体制を整えることも可能になります。創業初期に経理の基盤を整えておくことで、後々の成長フェーズにスムーズに移行することができます。逆に、初期段階で経理業務が整理されていないと、成長の過程で大きな障害になることが多いのです。私が支援してきた多くの成功企業は、創業初期に経理業務の仕組みをしっかりと整備していました。一方で、経理が後手に回った企業では、事業が成長する際に経理機能がボトルネックになってしまうことがよくあります。まとめ:経理業務を外注し、事業成長に集中する私自身も、経理業務を後回しにした結果、経営判断の遅れや資金繰りの失敗を経験しました。こうした失敗経験を踏まえて、創業初期から経理業務を外注し、自社メンバーには最低限の経理業務だけを残すことが最適な選択肢だと確信しています。創業初期から経理を外注し、長期的に安定した体制を築くことが、成長に不可欠です。これこそが、創業まもないスタートアップにとっての最善の経営戦略だと断言します。