スタートアップ企業では、経理を今後どうすべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、今回は経理担当者を採用する目安と採用すべき人について解説します。経理担当者を採用する目安スタートアップの経理担当者を雇うタイミングは、会社の状況や事業規模によって異なります。以下の数字を参考に採用を考えてみてはどうでしょうか。売上高が月額100万円を超えた経理業務に週10時間以上かかる資金調達や融資を受ける予定がある多くのスタートアップは売上や事業が拡大するに伴い、経理業務が複雑化するタイミングで経理担当者を採用することが多いです。その場合、経理だけでなく、CFOとして会社全体の財務責任者として採用するパターンも十分に考えられます。単純な経理のみをやってもらうか、会社全体の財務まで関わってもらうのかは会社のフェーズによって異なります。会社が大型の資金調達を行う場合はCFOを採用することも検討してみてはいかがでしょうか。どんな人を採用すべきか今回は経理に特化して採用すべき人を考えます。一般的に、経理の転職市場では、実務経験が5年以上あれば有利となり、3年以上あれば「経験者」と考えられています。一方、経理の実務経験が3年以下の場合は、経験が浅いと見なされる傾向にあります。資金の少ないスタートアップで5年以上の経理経験者を採用することはなかなか難しいと思いますが、なるべく経験者を採用すべきでしょう。私が聞いた事例だと、経験の浅い人を経理で採用してしまい、毎月高い費用を支払っているにも関わらず仕事の質が低かった…といったケースや、採用した人の経理能力が低く、結局経営者自身が修正を行わなければいけなかったため苦労した…みたいなケースがあります。このように経理担当を新たに採用する場合は慎重に検討すべきでしょう。採用する基準は以下を参考にしてみて下さい。また、単に経理業務をこなすだけでなく、経営に貢献できる人材であるという視点も持って採用してみて下さい。会計ソフトの操作スキル: freee、マネーフォワードクラウド会計など簿記の知識: 日商簿記検定2級以上税務の知識: 確定申告、消費税申告などについてExcelなどの表計算ソフトのスキルはあるのか資金繰りを管理した経験はあるか経理担当者を雇う前に検討すべきこと上の事例にもある通り、経理担当を採用する場合は慎重に検討を進めなければいけません。まずは自社の経理業務の量を確認し、本当に採用すべきなのかを考えましょう。経理担当者を採用しなくても顧問税理士にお願いしたり、経理代行サービスを利用するといった方法も存在します。以下に経理代行を使うメリットとデメリットを記載したので役立ててください。経理代行のメリット5選1.人材不足の解消とコスト削減スタートアップ企業が経理業務を行う際、私の周りでは正社員やパート・アルバイトを雇う会社が多いように感じます。経理担当者の採用費用や、給与、社会保険料負担を考えると、一般的に正社員で月25万円~、パートタイマーでも月8万円~程度の人件費がかかります。また、業務量に関しても通常時は少なく、決算時期に近くなると業務量がかなり増えるなど、時期による業務量のムラが大きいです。経理代行サービスを利用することで、これらの負担を大幅に削減できます。専門知識を持つスタッフが、月額数万円から利用可能な料金で経理業務を代行してくれるため、人材確保や育成に悩む必要がなくなります。2.専門性の高い経理業務経理業務は、税法や会計基準など専門性の高い知識が必要となります。スタートアップ企業の場合、入ったばかりの社員がこれらの知識を身につけていないことが多く、教育コストが余計にかかってしまう場合や、誤った経理処理によって手間取らされる…みたいなケースも結構あります。実際、社員さんの経理がずさんで、それを修正するのが大変だった…みたいな声をよく聞きます。経理代行サービスを利用することで、税務申告や年末調整など、専門知識が必要な業務も安心して任せることができます。また、最新の税法改正にも対応してくれるため、常に適正な処理を行うことが可能です。3. 業務の効率化と時間的余裕を創れる経理を社員にやらせるのではなく、社長自らやれば良いと思っている方も多いのではないでしょうか。経理業務は、請求書や領収書の処理、帳簿作成など、時間と手間のかかる作業が多く含まれます。これらの作業を自社で行うと、経営者自身の貴重な時間が奪われ、本来の業務に割く時間が少なくなってしまいます。経理代行サービスを利用することで、これらの作業をアウトソーシングし、時間的余裕を創出できます。経営者は、事業戦略やマーケティングなどに集中できるようになり、企業全体の生産性向上につながります。4.何があってもやめない一度良い経理担当を雇うことに成功したとしても、自分や家族その他様々な理由で辞めてしまうことが多いです。経理アウトソーシングを利用すれば、辞めてしまうという心配がなくなります。(その会社が倒産してしまう場合はなくなってしまいますが、可能性としては相当低いです。)事業に集中するために不要な心配がなくなります。5.会社の成長に合わせてカスタマイズできるスタートアップ企業は、急激な成長をするにあたって経理業務も複雑になり、業務過多になったり、経理担当者が手を負えなくなったりする業務も増えてきます。逆に初期の頃は、経理業務が少なすぎて、業務量に対して払いすぎるケースもあります。経理代行を利用すれば、会社の成長スピードに合わせて細かくサービス内容を変えることができ、支払う費用に無駄がなくなります。経理代行のデメリット逆に経理代行のデメリットは何なのでしょうか。1つデメリットを挙げるとしたら、社員ではないので密なコミュニケーションが難しいことでしょう。しかし、現代はチャットやZoomなどのオンラインビデオツールの普及によって、リモート環境下でもコミュニケーションが取りやすい環境が整えられています。そのため、外注先とのコミュニケーションも特に問題なく行えるため、気にしなくて良いでしょう。また、会社によってサービスの質が異なることもデメリットになり得るかもしれませんが、複数の会社に問い合わせることによってこの問題も回避できるでしょう。結論、大きなデメリットはなく、外注した方が費用対効果が高いケースの方が多いです。どのように経理代行サービスを選べば良いのか?スタートアップは経理代行を利用すべきだと解説してきましたが、具体的にどのような基準で業者を選べば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。経理代行を利用するにあたって、まずは以下のことを実践してみてください。1.まずは複数の会社に問い合わせてみる一口に経理代行といっても、提供されるサービス内容は会社によって様々です。経費精算、勤怠管理・給与計算、請求書の発行などなど多岐に渡ります。会社によって対応できるサービスには違いがあるので、自分達の必要に応じたサービスをやっているのかは、まず初めの段階で確認しておきましょう。2.スタートアップ支援を行っているかでは数多く経理代行の会社がある中で、具体的にどのような会社に問い合わせれば良いのでしょうか。1つの基準として「スタートアップ支援を行っているか」というのは重要視してみてください。まず前提として、スタートアップの経理は普通の企業とは少し異なります。限られた資金・人材の中でバックオフィス業務をどのように行うのかが問題となります。資金がない状況において、良心的な料金で実務をミスなく処理してくれるかどうかが重要になってきます。その中で、スタートアップ支援を行っている会社は、料金が良心的な傾向があり、数多くのスタートアップを支援してきた経験が豊富であるためおすすめです。3.サポート体制はどうか経理代行サービスを利用する上で、困ったときに素早く相談できるサポート体制は重要です。チャットや電話・メールなど様々な連絡ツールを持っているかや、担当者のレスポンスが早いかなどを重視しておくと良いです。担当者のレスポンスが遅く、対応も雑…みたいなことにならないようにあらかじめ確認しておきましょう。まとめスタートアップ企業にとって、経理代行サービスは、人材不足の解消、コスト削減、専門性の高い経理業務のアウトソーシング、業務の効率化など、多くのメリットをもたらします。経理業務を効率化することで、経営者は本来の業務に集中し、事業成長に注力することができます。経理代行サービスの活用は、スタートアップ企業にとって、成功への近道と言えるでしょう。経理をどのような体制で運用するべきか判断したい方へ経理の運用体制を検討している方へ向けて、「経理の悩み、これで解決!経理代行サービス活用ガイド」の資料をプレゼントをしています。▼ダウンロードはこちらのページから「経理の悩み、これで解決!経理代行サービス活用ガイド」