辻・本郷ITコンサルティングの上場を分かりやすく解説していきます!1. 上場の概要辻・本郷ITコンサルティング は、2025年12月19日に 東京証券取引所スタンダード市場へ新規上場(IPO)しました。上場市場:東証スタンダード銘柄コード:476A上場日:2025年12月19日事業内容:ITコンサルティング、DX支援、業務システム導入支援 等ポイントは、👉 税理士法人そのものではなく、グループ内の「株式会社」が上場したという点です。2. 辻・本郷グループとはどんな組織か辻・本郷ITコンサルティングは、国内最大級の税理士法人グループである 辻・本郷グループ の一員です。このグループは、税務・会計(税理士法人)BPO(記帳代行、給与計算など)IT・DX・コンサルティングM&A・事業承継支援といった 複数の専門会社を束ねる「グループ経営」 を行っています。※辻・本郷 FAS株式会社HPより引用その中でIT・DX領域を担う会社として切り出されたのが、辻・本郷ITコンサルティング です。3. なぜ税理士法人ではなく、IT会社が上場したのかここが今回のIPOの一番重要なポイントです。① 税理士法人は上場できない税理士法人は法律上、出資者の制限業務内容の制限資本政策の制約があり、株式会社のように株式上場はできません。② IT・DX事業は「資格業」ではないITコンサルやシステム導入は、税理士資格が不要非資格者中心でスケール可能ストック型・準ストック型ビジネスが作りやすいそのため、👉 株式会社として独立させた方が、成長戦略と相性が良いという判断になります。4. 数字で見る成長:売上・利益の推移まずは、全体の伸びを図で見ていきましょう。売り上げ高のグラフから読み取れるように、2022年9月期以降で成長フェーズに入ったことが数字として見えます。第10期だけ売上が約84百万円と落ちていますが、決算年月が2021年4月→2021年9月になっていて、通常より短い期間での決算になっている可能性が高いです。このため、単純に業績悪化と読むのは注意が必要です。また経常利益は伸びているが、売上ほどは増えていないといえます。成長投資(人員・販管費)が増えた可能性が高いと考えられます。5. 事業内容:3ドメインで一気通貫同社は、DXプラットフォーム事業を3ドメインで説明しています。 コンサルティングドメイン現状分析、業務フロー可視化、要件整理など、設計と意思決定を支える入口部分。 テクノロジードメインシステム導入支援や販売、ソフトウェア・ハードウェア提供など、実装の中心。 会計事務所向けSaaSとして、実トレfor会計事務所、better相続for会計事務所などの展開も説明されています。 オペレーションドメインシステム設定代行から、経理・財務・労務などのバックオフィス業務のアウトソーシングまで、運用フェーズを引き受ける領域。 ここがあることで、導入して終わりではなく、運用で売上が積み上がる設計になりやすい点が特徴です。6. 何が売上を作っているか:ドメイン別の販売実績同社の収益構造を読み解く上で、ドメイン別の数字は最重要です。累計の販売実績を図で見ていきましょう常にテクノロジーが最も大きく、売上の中核になっています。第13期 → 第14期中間 → 第14期3Qのいずれでも、積み上げの一番大きい帯がテクノロジーです。この結果が示すのは、入口のコンサルだけで終わらず、実装のテクノロジーと、運用のオペレーションが売上の中核を形成しているということです。言い換えると、提案型に閉じず、導入と運用で積み上がるサブスクリプション型のモデルとして安定した収益を積み上げられているということです。7. スタンダード市場を選んだ意味辻・本郷ITコンサルティングはグロース市場ではなく、スタンダード市場 を選択しています。これは、急成長のみを主眼に当ててはいないすでに一定の売上・顧客基盤がある安定性・継続性を重視という 「堅実型IPO」 を志向した結果と考えられます。税理士法人グループ発の会社らしい、信用・安定重視の上場 と言えるでしょう。8. まとめ辻・本郷ITコンサルティングの上場は、税理士法人が直接上場した事例ではなく、株式会社が上場した事例です。 この上場が業界に示しているのは、資格業の強みをそのまま上場の形にするのではなく、強みを市場で売れるサービスに落とし込むことでスケールできる、ということです。税務・会計で培った信頼や顧客基盤は、案件の入口として大きな武器になります。ただ、規模が伸びるのは提案そのものではなく、導入を担うテクノロジーと、継続的に回す運用の領域です。そこに人と仕組みを投入して積み上げていく――辻・本郷ITコンサルティングの数字は、士業グループが成長事業を形にしていく現実的な道筋を、そのまま映していると言えます。